サラリーマン的? 調査地域の決まり方

2019/04/29

前回、筆者は三宅島に関われなかった
と言いました。

それは、ボスから言われた
「君は有珠(山の調査隊)なんだから、 三宅は別の人ね」
のたった一言です。

これは仕方ないんです。
何しろ、研究の末端の人間でしたから。
それに、調査隊はものすごい体力仕事です。
きっとそのこともボスは考慮してくれたんだと思います。
そして極めつけは予算

自然は待ってはくれません
例えどんなに調査が必要なイベント(※)が起きても、
1年のはじめについた予算内で進めねばなりません。
「これからイベントが起きるので、 この予算をつけてください」
なーんてことは、そもそもいえるワケないんです。
※注:イベントとは、地震や火山噴火など
なんらかの自然現象のことをいいます。
※2 予算のつきかたは時と場合による。

こんな感じで末端研究者の調査地域は決まります。
※もちろんプロジェクト毎に異なります。

予算と、上司の一言で仕事が決まる。
サラリーマンと同じですねぇ。
ときどき
「研究者なんざ、自分の好きなことさえやってりゃいいんだから気楽なもんさ!」
と吐き捨てる人がいますが、そんなこたぁありません。
一つ違いといえば、
イベントが起きたときに
「動きましたぜ! 出動しましょう!」
と自ら言えば、かなりの割合でそのイベントに関われる、
ってところでしょうか。
しかし、イベントが同時多発的に発生した場合には、
少ない人数で効率よく動かなければなりません。

と書くとかっこいいですが、
つまりは、馬車馬のごとく働く、ってことです。
全部が全部、そうではないかもしれませんが、
どんな大教授も末端の人間も、
これでもか、というほど働きます。

客観的に見ると、かなり辛い職業ですねぇ。
辛いけど、みなさん興味が勝るので
きっと耐えられているのでしょう。
#あ、耐えられない人もけっこういるか…

しかし、現象に対する興味が
きつーい仕事を乗り越えられる原動力であるって、
仕事として一番いい状態ですよね。
それが、民間企業の多くのサラリーマンとの、
一番の違いでしょうね。
#だから、肉体的に耐えられない人もいるんだって。
↑ という心のつぶやきについてはまたいつか。