昨今の地震予知・予測が「確率的に当たり前」の意味

   

小泉さんからの「アナタもできちゃう!地震予測12」を転載させていただきました。
その目的は、昨今多発(?)している「地震予知ができた」「自分の地震予測は当たる」と主張する個人や企業のいうことを鵜呑みにする方々に警鐘を鳴らしたいからです。

なぜならその「当たった」は、「確率からしたら当たり前」であるに過ぎないからです。

「確率からしたら当たり前」が予知や予測とは趣を異にするがわかりにくい人のために、それがどういう意味なのかを、誰でもわかるように、極カンタンなケースで説明します。

自分が「予測屋」だと名乗る人が、こう言います。
A「サイコロを3回投げてみてください。その3回の中で、必ず1か3が出ますよ」
あなたはこう言われたら、なんと返しますか?

この仮想の予測屋がいうことは、次の2つと同じ意味なのです。
B「サイコロを2回投げてみてください。その2回の中で、必ず1か3か5が出ますよ」
C「サイコロを1回投げてみてください。その1回の中で、必ず1か2か3か4か5か6が出ますよ」

AとBでピンと来ない人も、さすがにCを言われれば
「当たり前じゃないか!」
と言いますよね?

これを、確率的にいうと、以下のようになります。
サイコロの目は、6個です。
サイコロを1回ふると、1~6の数字のうちの任意の1つが出る確率は、目6個のうちの1個なので1/6です。
同様に、1~6の数字のうちの任意の2つのいずれかが出る確率は、1/6+1/6=2/6=1/3(a)です。
同じく、1~6の数字のうちの任意の3つのどれかが出る確率は、1/6+1/6+1/6=3/6=1/2(b)です。
そして、1~6の数字のうちの任意の6つのどれかが出る確率は、1/6+1/6+1/6+1/6+1/6+1/6=6/6=1(c)です。
サイコロ
このa,b,cの話しは、どれも「サイコロを1回ふったときに出る目の確率は各々1/6」というのに基づいています。

冒頭の予測屋が言ったAというのは、確率的にはaの話しということになります。
1/3とは、3回に1回という意味です。
aの話しをもう少し分かりやすく言い換えます。
「6つの数字のうちのどれか2つ(例えば1と3)を指定した場合、サイコロを3回ふれば、この2つのいずれかの数字が1回は出ますよ」
ということです。
つまり、サイコロを3回ふれば、1か3のどちらかが1回は出るというのは、確率的に当たり前ということです。

「自分が見つけた観測結果の異常の後に地震が起きている。だからこれは地震の前兆だ。したがって、私は地震の予知・予測ができる」という人・企業が出している情報は、今のところどれも確率論的に当たり前のようです。
観測しようとしなかろうと、観測値から計算しようとしなかろうと、地図を見ようと見なかろうと、確率を知っている人が確率論的に計算すれば誰でも同じ結果が出せてしまうようなことを、「予知」「予測」と言っていいものでしょうか?

正確に言うと、問題は「予知」「予測」と言うか言わぬかではありません。
問題の本質は、確率論で出せてしまう結果を自分独自でみつけた観測や計算の結果だとすり替えて、地震の前兆現象と科学的に証明されていない事象に対して「私の観測・計算結果は当たるので、私は地震予知・地震予測ができる」と言ってしまうことにあると思います。
※注:彼らの「すり替え」は、どうも往々にして意図的ではなく、思い込みによる無意識から発生したもののように見えることを付記します。


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