雷の性質をまったく知らない現代の高校生

2019/04/29

2013年7月29日、NHK教育『Rの法則』という番組で、衝撃的なシーンを見た。

雷クイズの場面なのだが、問題は以下のとおり。

「次の4つのうち、雷をよけられる場所はどこでしょう?」
a.木のそば
b.何もない場所(平原等)
c.軒下
d.車の中

あまりに簡単なこの問題。
そして、選択肢に「ありえね~」というものが2つあるということに、多くの方は気づくであろう。
それはもちろん、aとbだ。

ところが、番組に集まっている12人の高校生の(ぱっと見)6~7割はなんと「b」を選んだのである。
我が目を疑った。
衝撃的すぎて卒倒するかと思った。

「ありえね~」という解のなかでももっとも「ありえね~」という解「b.何もない場所」を、半分以上の高校生が選んだのである。
正解の「d」を選んだのは1人か2人。
当たり前に正解を選んだ人であれば「車の中、かつ、車のボディに触らないようにする」が完璧な答えであることもわかっているだろう。

まさに、これが日本の科学教育のなり果てである。
ここまで究極的にお粗末な状況を、なせ教育現場の人間は気づかないのか?
なぜ、自分の息子娘に最低限とも思える科学の常識が身についてないかと、親たちは不思議に思わないのだろうか?
「b」を選んでしまった多くの高校生が「雷は高いところに落ちる」といっていた辺り、これは経験からの発言のようだが、これに加えて雷が電気であることさえ知っていれば、あとは考えれば正解が出るのだ。

考える力が足りないのもさることながら、考えるきっかけさえも与えない親や教育。
小さな変革では今の教育は進歩しない。
義務教育世代だけ教育しても意味がない。親までをも教育(知識というより、躾や教育に対する姿勢の教育)しないと、変わりようがないのではなかろうか。