震源は見えないので推測して決めている

   

地震の震源がどうやって決まるかご存じでしょうか?

「どこかがズレたら見れば分かるだろ」
とお思いの方が意外と多いんじゃないかと思いますが、実際のところ、地下深いところをこの目で見ることはできません。
(深いところを見ることができない理由は、『「熊本地震は人工地震」をぶった切る』の記事をご覧ください。)

では、どうするのかというと、”推測する”のです。
「バカヤロー!そんないい加減なことしてるのか!」
とお叱りを受けそうですが、科学的な推測なので怒りは鎮めてください。

科学的な推測方法そのものは、専門機関の記事に詳しいので、ここでは概念を説明します。

結論から簡単に言うと、
「(a)理論的に作られたモノを、(b)実際に観測されたモノに近づけるために、(c)パラメータを変えて試行錯誤する」
です。

なんじゃそりゃ、ですね。
もっとかみ砕きましょう。

日本各地には地震計が配備されています。
地震計配置地図
気象庁サイトから引用)

地震(地面の破壊)が起きると地震波が発生し、その地震波が地震計のあるところまで進むと地震計が地震波を観測します。
地震計によって観測された地震波の形も捉えた時間も全然違っています。
これが、(b)です。

地球の内部の物質は1つではなく、物質(岩石)も構造も複雑多岐に亘っています。
この複雑多岐さを表すために、地震波の速度が用いられます。
固いところは速く進み、軟らかいところはゆっくり進むので、速度を使うのが便利だからです。
地震波は地球内部を縦横無尽に進みますが、それぞれの場所をどのような速さで進むのかというモデルが作られています。

このモデルを作ると、便利なことがあります。

 深さXXkm
 マグニチュードXX
 断層の角度XX°
 ズレた方向XX°
 ズレの大きさXXm
という地震を仮定し、この情報をモデルに突っ込む(計算する)と、地表でどのような地震波となるのかがわかるのです。
これが、(a)です。

さて、
「(a)理論的に作られたモノを、(b)実際に観測されたモノに近づけるために、(c)パラメータを変えて試行錯誤する」
の(a)と(b)がわかりました。

「(c)のパラメータってなんだ?」
ですが、すでに出てきていて、先ほどモデルに突っ込んだ、深さXXkm、マグニチュードXXなどのことです。

「試行錯誤するってなんだ?」
ですが、これは、(b)は決まっているので、(c)にいろんな数値を入れることによって(a)を変え、(a)がもっとも(b)に近くなる(c)を決める
という作業のことです。
(b)の観測された地震波は、地震計によっていろんな形をしているので、さまざまな地震計でキャッチした地震波に合致するように、必死に作業を繰り返します。

こうして震源は決められるのですが、お気づきのことがあると思います。

・速度モデル
・パラメータ

で異なるものを使うと、結果も異なります。
つまり、解析(計算)する人や機関によって、震源が異なるということです。

海外のサイト(USGS)に公開されている震源の情報と比較すると、気象庁発表とかなり違っていて「ああ、震源って機関によってブレるものなんだ」というのがよくわかりますので、一度ご自身で、M7以上の大きめの地震を比較してみてください。


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