スクープ!? 鹿島の要石の起源は高千穂だった

      2018/11/28

今から163年前の1855年11月11日(旧暦10月2日)、安政江戸地震(推定M6.9)が起きました。
いわゆる首都直下地震です。

安政江戸地震ときたら、マニアのみなさんは「鯰絵→鹿島明神→要石」と即座に連想するに違いありません。

その要石(かなめいし)ですが、ホンモノが、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮に鎮座しています。
その要石の起源に偶然出会うことができました。

今秋、筆者は熊本地震の被災地視察に出かけましたが、あいにくの大雨。
そこで1日だけ、行き先を急遽、宮崎県の高千穂峡に変更しました。
これまたマニアのみなさんにとってはご存じ、柱状節理の聖地です。

高千穂峡のレポートは後日、じおじぃともじおに任せるとして、
さぁ阿蘇へ戻ろうと、ふと道中目を転じると、高千穂神社というのがありました。

無計画に来た場所ですので、この神社がどういうものなのかはまったく知らないのですが、なんとなく車を停め、なんとなく入っていってみました。

さすが、神々の宿る高千穂。
半端ない空気感。

この日、阿蘇ほどではないものの高千穂も小雨。かつ平日だったため、観光客はまばら。
みなさん、本殿やら・・・

樹齢800年の大樹にのみ群がります。

筆者もご多分にもれず要所は押さえたものの、なぜか本殿の右奥が気になって仕方ありません。

近づいてみると・・・
なんと、要石があるではありませんか!
ここでは鎮石(しずめいし)といっているようです。

看板にはこう書いてあります。
「・・・関東鹿島神宮御社殿御造営の際高千穂宮より鎮石が贈られ同宮神域に要石として現存しています」
な、なんと、鹿島の要石はここが寄贈したものだったとあります!

これは大変。早く行って聞いてやらねばなるめぇ。
(参:『江戸鯰と信州鯰』、鹿島明神の台詞

とうことで、詳しいことが知りたくなりました。
さっそく巫女さんにインタビュー。

筆者「あのぉ・・・。あそこに鎮石がありますが、あれはいったい、いつからあそこにあるんですか?」
巫女A「・・・。えっとー・・・。ちょっと待ってくださいね」

どうやら若い巫女さんは、鎮石など気にもとめていなかったようです。
しばらくすると、ベテランそうな巫女さん。

巫女B「鎮石について聞きたい方は・・・あ、こちらの方ですね」
筆者「はい。鎮石について詳しくお聞きしたいんですけど・・・」
巫女B「あー、あまりわからないんですよ。ここが1900年前くらい前に建立されたといわれているので、鎮石が置かれたのはそのころでしょう。
筆者「では、鹿島の要石は?」
巫女B「それより後ですね。」
筆者「だいたいどのくらい後で・・・」
巫女B「鹿島神宮建立のときに贈ったとあるので、そのときでしょう」
筆者「あ、そりゃそうですね。やっぱり舟でもっていったんですか?」
巫女B「そこまではわかりません」
筆者「どうして高千穂神社が茨城という遠い土地に贈り物をしたんですか?」
巫女B「わからないですねぇ」
筆者「石は、ここの鎮石と同じものですか?」
巫女B「違う石だと聞いています」
筆者「でも、この周辺の石なんですよね?きっと」
巫女B「ここから渡したということはそうなのかもしれませんねぇ」
筆者「ちなみに、ここでは鎮石にちなんだお守りは売っていますか?」
巫女B「いえ、残念ながら・・・」
筆者「そうですか。こんなすばらしい石が境内にあるんですから、コンセプトを明確にして商品にしたら売れると思うんですけどねぇ・・・。いや、これはよけいなことをば失敬」

マニアとしては垂涎の「関連商品」欲しさと、中小企業診断士目線の無駄な会話までしてしまいましたが、いずれにしても、
・鎮石は茨城県鹿島神宮より先に設置された要石
・鹿島神宮の要石を贈ったのは高千穂神社
・石は同じ石を切り出したものではない
・おそらく高千穂の石=阿蘇山の溶結凝灰岩が鹿島神宮に贈られた
・運搬方法は不明
ということがわかりました。

後に調べると、高千穂神社と鹿島神宮は大いに関係がある、というか、神々が最初に降り立ったのが高千穂ですから、神宮といわれるものは高千穂に関係するわけで。
筆者は神話に詳しくないので、ここは他のwebページに譲ります。

さて。
地球ヲタとしては、高千穂の鎮石が何石なのかをどうしても知りたい。
そこで、今一度戻って鎮石にタッチ・・・はできませんでした。
明らかに結界があるんです。
この結界を越えてはいかぬと天から声が舞い降りてくるようです。
触らずとも拡大鏡を近づけて・・・。
それもできませんでした。
さすがの石ヲタの筆者でも、そんな結界を突破する勇気はありませんでした。

なので、カメラの光学ズームでアップを撮影。

苔むす石になっていて、はっきりと石の種類を見分けることはできませんでした。
しかし、雰囲気からして、高千穂峡に見える柱状節理、すなわち溶結凝灰岩で間違いなさそうな気がします。

地球ヲタとして生きていると、ときどきこのような偶然に巡り逢います。
阿蘇地方が大雨だったおかげで、四半世紀ぶりの柱状節理を見に行くことになり、その流れで要石の起源に引き寄せられた。
なんらかの糸を感じます。

・・・以下、地球ヲタの興味をあまりそそらないオマケの情報です。

高千穂神社は神楽が有名です。

毎晩行われているようなので、地域文化を楽しみたい方はこちらをどうぞ。


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