マリアナ海溝の測深航跡図2010年版

2019/04/29

2010年8-10月に、ニューハンプシャー大学のチームが行った、マリアナ海溝の音波探査(※)結果。
下図の黒線で囲まれたところが調査範囲。下図の下方の小さな白い囲みが上図の範囲。
ここが世界で最も深い地点だ(10,994mと見積もられている)。

とても、おとなしく見える。
山があるわけでも、クレーターがあるわけでもない。
川の跡があるわけでもなく、もちろん人の生活の跡もない。
まさに深遠なる海の底。

だが、図の下半分に、さざ波のようにきれいに寄るしわ。
これが、ここは決しておとなしくはなく、常に動き続けているのだ、ということを黙って語りかけてくる。
図の下方のプレート(太平洋プレート)が上方のプレート(フィリピン海プレート)の下に、毎年4cmの速度で沈み込んでいるのだ。

遠く南の地の話。
しかし、この海溝を北に辿ると…。
そこは大都市東京の東方沖なのである。

※船から海底に向かって音波を発信し、跳ね返ってきた音波をキャッチすることにより海底地形を調べる手法。

http://earthobservatory.nasa.gov/IOTD/view.php?id=77640&src=eoa-iotd