「地震だ、火を消せ」は間違い、という主張は間違い?

      2013/05/20

3.11以降、
「地震だ! 火を消せ!」
の標語は間違いだ、という報道を良く目にする。
今の時代は、ガスレンジもストーブも、揺れに対する安全装置が付いていて、
容易に火事にはならないようになっている。
だから、火を消すために下手に近づくと、むしろ揺れている火に近づくので危ない、
という理屈だ。
これは、大変納得できる。
「地震だ! 火を消せ!」の標語ができたのは、
確か1923年9月1日午前11時58分に起きた
関東大震災(地震名:関東地震)で
東京では火事で10万人もの死者を出したからだ。
当時、つまり大正後期の東京は、
炊事場は薪をくべる方式。
暖を採るには火鉢、という時代。
しかも家屋は木造家屋。
ガラスではなく障子。
まさに、燃えるための条件が揃っている。
だからこの標語は当時なら正しい。
現代ならいわば「時代遅れ」なのだ。
だから、間違っている・・・だろうか。
ちょっと視点を変えてみて欲しい。
この標語は1923年(から数年以内)にできた標語だ。
今は、2012年。
つまり、
約90年間も全日本人に知れ渡っている
たぶんこれ以上に知られた標語はない、
というくらい有名な標語なのである。
だから、標語としてこれほどまでに成功した、
間違っていない標語はないのではなかろうか。
そしてこれは、日本人が残した、有益な教訓なのではなかろうか。
語彙の単純性。
発音の容易性。
理解の簡易性。
伝達の速達性。

これらが全部揃ったとき、
我が身に起こったときに自分一人でもすぐ実行できるこの内容が、
全国民への伝搬を可能にしたのだ。(と思う)
3.11に絡み、このような標語はできないだろうか。
3.11の犠牲者の92%が津波によるという。
だから、標語を津波に絞る。
「津波てんでんこ」
はいい標語だが、やはり方言では厳しい。
標準語だと、以下のようなものが候補になろうか。
「地震だ! 高台へ!」
「地震だ! 高いところへ!」
「地震だ! のぼれ!」

国の中央が標語を決め(決定方法は何でも良い)、
各省庁で使用される言葉が異なることなく使われ続ければ、
1923年から90年後の今日、新たな「永遠の標語」ができるであろう。


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