海底の年輪

2019/04/29

海洋性堆積物がどのように積もっていくかは、
海の中でも軽いものほど遠くに飛ぶ

もっと細かい粒はどこまで飛ぶ?
でおはなししました。
ところで以前、海洋地殻の一生で、
海洋地殻は動いている、というおはなしをしました。
動いている方向は、大陸地殻の方向です。
ここで、次の2つの現象の、足し算をしてみましょう。
・海洋地殻に積もるもの(海洋性堆積物)は、
大陸から遠ざかるほど粒が小さくなります。
・海洋地殻は、大陸に向かって動いています。
つまり、遠く沖の海底に積もった細かい粒は、
いずれは大陸の近くまできますね?
そして大陸に近づくほど、
粒の大きい土砂が積もります。
これらの足し算の結果、
海洋性堆積物はどうなっているでしょう?
そうです。
下にいくほど小さい粒になっていきますね。
しかも、下にいくほど、積もった時期が古いです。
まるで、海にできた年輪のようですね。
木の年輪が、その当時の気候変化などを刻んでいるように、
海の年輪も、積もった当時の環境を 克明に記録しています。
たとえば、次のような例があります。
やけに赤い色をした 海洋性堆積物が見つかりました。
この赤を調べると、錆(さび)でした。
錆は、鉄分と酸素がくっついてできます。
このことにより、地球の歴史上、
今よりもたくさん酸素があった時代があった、
ということがわかったのです。
地球も、自分の成長の記録を、
いろいろな場所に残したいのですね。