断層地形の例(鬼首地震)

2019/04/29

不自然に屈曲した地面を見たら
断層地形を疑え、というおはなしをしました。

その、わかりやすい例をおみせしましょう。
まずは、以前お見せした野島断層です。
手前のバリバリに割れた道路の縁石に注目してください。
野島断層_屈曲
これは見事です。
まっすぐな縁石が、見事にクキッと曲がってます。
次にこちらを見てください。
鬼首
これは、わかりますか?
道路を横切るように修復中の地面があります。
でも修復中の地面ではなく、
道路中央の白線に注目してみてください。
わかりましたか?
手前の白線を延長するとどうなるでしょう。
奥の白線につながらいのがわかりますか?
正面に人が立っている奥側の道路が、
右にずれてるんです。
矢印で示すと、こうなります。
鬼首_矢印
ここは、温泉で有名な宮城県鳴子町(現、大崎市)は鬼首。
地図で言うと、たぶんこの辺です。

大きな地図で見る
多分という表現でごめんなさい。
当時の(当時も?)筆者は緻密さが足りず、
写真を撮ってもどこなのかを記録する癖がありませんでした。
さて、1996年8月11日、鬼首地震が起こりました。
前掲の写真はそれからわずか2週間後、
8月25日の写真です。
この地震は、以前おはなしした「地殻が痛みに耐えられず骨折した
という理由で起こったものではありません。
火山活動の影響で起きた地震です。
詳細については後日おはなししますね。
その地震を起こした断層が右横ずれを起こしたのです。
ただし、写真の屈曲は、その断層のメインの部分ではありません。
メインの部分は、地下深くにあるという調査結果が出ています。
ですので、写真の屈曲は、小さな小さな断層でしょう。
人によっては「単なる地割れ」という人もいるかもしれません。
ただ、見た目にわかりやすく、
自分のもっている屈曲の写真がこれしかなかったので、
地面の屈曲」を感覚的に見てもらうために掲載しました。
現在のこの道路の様子は、行ってないのでわかりません。
この場所を通った方は、ぜひレポートをお寄せください。
ちなみにgoogle mapでは、
地表の様子がわかるほど接近して見ることができません。
また、ストリートビューの画像もありませんでした。