日本には休火山も死火山もない?

2019/04/29

断層と活断層という言葉を以前出しました
これと同じような概念で存在する言葉、
火山活火山についてです。
活火山、死火山、休火山
という言葉を よく聞きませんか?
「富士山は、死火山だよ」
「違うよ-。
何年も噴火してないから休火山だよー。」

なんて会話、子どもの頃、よくしていましたよね。
(筆者だけか?)
実は死火山休火山今は存在しない言葉なんです。
(学術上のおはなしです)。
そもそも何をもって火山が「休んでる」とするか、とか
死火山と思われていた火山から噴煙が上がったり
など、 方々であいまいさが目立ってきた時期がありました。
そこで、火山噴火予知連絡会(※)が
2003年、火山をこう定義したのです。
概ね1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山
(↑クリックするとPDFファイルが開きます)
※火山噴火予知連絡会:火山に詳しい、研究者などの専門家の集まり。
死火山休火山も、ここには出てきません。
定義を表す文面に出てこない、ということはつまり、
死火山休火山という言葉はない
ということなのです。
これをお読みの賢いみなさんは、
旅行の際、あやまっても同行者に死火山とか休火山
って言葉を使って説明しないでくださいね。
とくにやりがちな富士山の説明。
定義からお分かりのとおり、
富士山活火山です!
1707年に宝永の大噴火を起こしています。
定義の10,000年と比べたら、
たった300年前の噴火は、
ごく最近の出来事なんですね。