【回顧録:阪神淡路大震災】③ついに対面!地震の黒幕

2019/04/29

阪神淡路大震災を引き起こした元凶である、
野島断層を探す旅。
前回は、
報道で有名になった民家に出会えたところまで
おはなししました。
次に探しているのは、やはり報道で有名になった、
地震の原因・野島断層が大きくその姿を現している現場です。
意外にも、その民家の目の前でした。
しかしここはさすが1年後。
行政により、現場は大きく金網で囲われていました。
野島断層3
動きたてホヤホヤ(※)の断層は目の前です。
※断層が大きく動くのは通常、数千年に1回です。
ですから、地震からたった1年しか経過していない断層は、
動きたてホヤホヤといえるのです。
目の前に目指すアイツがいるのに、
触れることができません。
すると、たまたま人がやってきました。
そして、金網についてる入り口の鍵を開けています。
こうなったらチャンスです。
なりふり構わず、突進。
「す、すみません!
私、これこれこういう業界のものですが、
後学のために個人的に見学にきました!
どうか私を、この中に入れてください!」
よほど必死だったのか、
それとも真剣さが伝わったのか、
そのおじさんは、ニコニコ笑って
「どうぞ」
と入れてくれました!
どなただかまったく確認しませんでしたが、
その節は怪しげな旅人の申し出を快く聞き届けてくださり、
本当にありがとうございました。
断層には無造作にビニールシートが被されています。
動きたてのナマの断層を触れる機会もめったにないので、
ここぞとばかりに触りまくりました。
もちろん、写真撮影も。
野島断層1
ちなみに、お触りが趣味という変態ではありません。
断層は動くと、
ずれたその境目の地層(岩石)に大きな摩擦が起こるため、
その境界部分の地層(岩石)は、
とーっても細かく砕けます。
これを、断層粘土(だんそうねんど)といいます。
当時の筆者は、地層の土を指先にとって
親指と人差し指でこねくりまわすと、
それが粘土なのか、
それより粒子の大きいシルトという物質なのか、
判別することができました。
で、確かに断層「粘土」なのかを確認したく、
ほうぼうを触ってみたのです。
もちろん、原型を崩すようなことは絶対にしません。
確か、このときすでに
「この断層のうえをそのまま資料館として残すか」
の議論は始まっており、それを知っていたからです。
それから数年後、
とうとうそこは、資料館になりました。
野島断層保存館という名称です。
北淡震災記念公園に、野島断層やセミナーハウス、
レストラン、物産館などが併設されています。
この公園ができてからまだ訪問はしていませんが、
HPをみて驚きました。
前回写真を掲載したあの民家が、
そのまま保存されてます!!!

野島断層2
(写真再掲)
淡路島へお越しの方、
ぜひこの公園を訪れてみてください。
そして、大地が一瞬にして大きくずれる、
そのエネルギーの大きさを想像してみてください。
もしかしたら今、アナタの家の真下で、
そのエネルギーを解放しようと、
別な断層が“そのとき”を待っているかも知れません。
“そのとき”に備えるためには、
“そのとき”を経験した場所を知っておくのが
もっとも有効な手段だと思います。