一度はまったら抜け出せない、天然のコンクリート

2019/04/29

今回も火山灰のおはなしです。

火山灰、積もるとサラサラ~
というのを体感したことがある人、
けっこういますよね。

桜島では日常茶飯事
数十年前でいうと1980年代の浅間山の噴火は
関東全域に火山灰が降ったから、
かなり多くの人が記憶にあるかもしれません。

砂場で遊ぶように、普通に楽しんだことでしょう。

ところで、遊び道具の火山灰
これ、が加わると大変なことに…

これは、有珠山での経験です。

2000年3月、まだ雪の多く残る道東の洞爺湖温泉町。
そのシンボルでもある有珠山が噴火しました。

あの噴火では火山灰が分厚く降り積もりました。

そう、雪の残る地面に。


火山灰
 です。

まさかあんなことになろうとは夢にも思わず、
つい普通に車から降りた筆者たち。

ぐちょぉ…
足がゆっくり、ずぶずぶっと沈んでいきます。

小さい頃、イタズラしたあの感覚。

「立ち入り禁止」と書かれた敷きたてのコンクリートに、
足形や手形を残したあの感覚。

「マズイ!」と思ったときには時すでに遅し。
勢いよく足を引き抜こうとしたら、
みごと靴だけがそこに残りました。

有珠堆積火山灰

すったもんだして、なんとか観測を終え宿に戻る。
ふと足元を見ると、灰色の固まりがゴツゴツと
こびりついています。

水分が飛び、固まりました。
コンクリート靴のできあがりです。
登山用ブーツの底の深い刻みにも
しっかりと型どおりに灰色が入り込んでいます。

けそういえばあの火山灰はどうやってどけたのだろう。
数年後に正常化した町にお邪魔したときには、
すっかり町は観光地に戻っており、
人々の顔も元気になっていた。